映日堂

ままならない日々のこと

ものをつくるってはちゃめちゃに疲れる|2024年3月31日(日)

 

ついにデスク作りに着手した。先週カインズで買っておいた150×60cmのパイン集成材とその他材料や道具、そして楽天で買ったアイアン脚を作業場に持っていった。

 

大きな段ボールを床に広げてその上に板を置く。最初にやったのはアイアン脚を置いて取り付け位置を決めることだった。ノギスを使って長さを測り、場所を決めたら鉛筆で穴の位置に印をつけておく。

続いてはやすりがけ、まずは180番から。天面もかけるつもりだったけど端っこを磨いてみたら粗いやすりは必要なさそうだったから側面と角だけにした。

パイン材はけっこう柔らかくて、角をごしごし磨くとすぐに手触りがやわらかくなる。板を裏返すとき、まだ磨いてない角も同時に触ったら違いがあまりにはっきりしていてすごっとなる。

夢中でやする

次は400番で仕上げ磨き。今度は天面も含めた全体にやすりをかける。磨いた端からつるつるになってたのしい。出る木クズもとても粒子が細かくて触るともろもろと不思議な感触。でもマスクをしていても少し鼻がむずっとするのには参った。

 

やすりがけが終わったタイミングが11時過ぎ。まだ塗装もあるし、急遽ここでお昼ごはんにすることにした(当初は午前だけで終わらせる予定だった)。

コンビニに行って適当におにぎりなど買う。なんだか人々が行楽モードで浮かれ感がそこらに充満していた。今日すごくあたたかいもんねえ。

 

軽くごはんを食べて一息ついたら作業再開。ワトコオイルを塗る。

オイル塗装といえばこれ、みたいなものっぽい。DIYに縁のない者なので詳しくはよくわからない。色はナチュラルを選んだ。

おそるおそる刷毛で塗り始めると、塗ったそばから木目が鮮やかになっていく。パイン材らしい明るい色味はそのままに美しく艶々と輝き出した。

塗料は小容量のものを買っていたから足りなくなったら困る、とはじめは慎重に少量をうす〜く伸ばして塗っていったが、そうしたら少しだけムラになってしまった。おかげで裏面まで塗り終わった時点でまあまあ残っていて、表面を2度塗りしてみることにする。

ものすごく適当にやっていてもこの短時間で多少は成長して、明らかに塗りがうまくなっていた。2度塗りすることでその成長の集大成を目立つ表面で発揮できたのは良かった。

 

布で軽く拭き上げ、あとは丸1日乾かす必要がある。明日以降のどこかで板を持ち帰って、アイアン脚の取り付けは自室で行う予定。

 

帰りに車を出すとたぬきが道を走って渡るのを間近で見た。本人は必死そうなんだけど、なんだかむっちりした子で走り方もぼてぼてしていた。あんなんで生きていけているのか? たぬきも春に浮かれているのかもしれない。

しかし最近強烈に感じていることだけど、ものをつくるってはちゃめちゃに疲れる。

今日も成果物は「なんかきれいな板一枚」だけだしやったことも「磨いて塗った」だけだし、何なら一工程ごとに小休憩を挟みながら作業した。だから大したことなさそうに思ってしまうんだけど、体はちゃんと疲れを受け取っていて家に着くや否や布団に倒れ込んでしまった。その後は少しうたた寝し終えるまで相当な不調感がわたしを覆っていた。つくっている最中はたのしくて仕方ないんだけれど。

でもものをつくることが疲れることだ、というのは知れて本当に良かったと夫と話してもいる。普段わたしたちは次々とものを買って消費しているけど、つくることでその仕組みの不思議さに気づいたりするし、ものを得ることに対して正当な労力を使えているように思う。

買って済ませることが悪いとは思わないし、むしろ既製品を買わないとわたしの暮らしは成り立たないから企業努力には頭が上がらないが、自分でつくってみるという体験はわたしにものの価値みたいなものを教えてくれていると思う。

 

マイデスクは完成する前から愛着が湧き始めていて、きっと長く大事に使っていくことになるだろうという確かな予感がある。