映日堂

支店

清涼感に悶えたりしょぼしょぼしたり

目薬を買った。

きっかけは、眼精疲労でつらいとき母に「ドライアイとかではないの?」と問われたことである。それは気にしたことがなかったなあと思い意識して過ごしてみると、確かに「あ、目が乾いてるな」と自覚する瞬間があった。

眼精疲労の根本的な解決として目の酷使をやめるのは大前提だが、すでにダメージを受けている目を労ることも大切だろう。というわけで、まずは試しに市販の目薬を使ってみることにしたのだった。

わたしは今まで目薬を常用していたことがほぼない。だから知識もなく、選ぶときあまりにたくさん種類があってかなり悩んでしまった。結局ネットで調べて、ドライアイと眼精疲労どちらにも効きそうな「サンテメディカル12」という製品を選んだ。赤い色のついた液体がなんとも効き目抜群そうではないか。などと適当なことを考える。

 

早速入手してさしてみたのだが、そのときの第一声は「うおお……!」といううめき声であった。なんだこの強烈な刺激は! 慌ててパッケージを見ると、清涼感が0〜5段階のうち3となっている。なるほど、これが目薬の"清涼感"というやつか。

「3/5程度で何を大袈裟な」と思われるかもしれない。しかし先述した通り、わたしは目薬ビギナーである。今まで市販の目薬を使ったこと自体はもちろんあるが、そのすべてが例えば「ソフトサンティア」のような涙に近い成分でできている刺激ゼロのものばかりだった。

 

おそらく人生で初めて経験する清涼感とやらに悶えながら、わたしはつい数日前に見たあるショート動画を思い出していた。それは、日本人の妻が外国人の夫に清涼感のある目薬を渡してさしてみてもらうというもの。その時の彼のリアクションが、まさに今日わたしが最初に目薬を差したときとよく似ていたのだった。

動画を見たときはオーバーだなあと他人事としてケラケラ笑っていたのだが、まさか我が身に同じことが降りかかるとは。まったく油断も隙もない。

さて、予期せぬ初体験をした現時点での感想は、「目薬の清涼感は別に必要ない」である。さすがに2度目以降は「あの刺激が来るぞ……来るぞ……」と身構えてさすことができているので問題はないものの、まだ清涼感自体に慣れることはなく、目薬をさした後は目をしょぼしょぼさせて耐える時間が発生している。わたしは目を癒すために目薬をさしたいので、そこに強い刺激はなくていいかなあ、というのが正直なところだ。

ただ「現時点での感想」とあえて書いたのは、使用を続けることでもしかしたら今後「この清涼感がないともの足りない!」と思う日が来る可能性がないとは言えないからだ。とりあえず1本使い切ってみて、そのとき心境の変化はあるか、本当にどうでもいいことだけどちょっと楽しみでもある。案外「くう〜〜〜、これこれ!」とか言っているかもしれない。