映日堂

ままならない日々のこと

手のひらの傷と1日

右手のひらの皮がむけた。ちょうど中指の付け根、ふくらんだところ。買い物から帰ってきて手を洗うときに気がついた。濡らした手にハンドソープを取って伸ばすと、ピリッと痛みが走ったのだった。

こんな場所、いつどうして怪我したのかわからない。思い当たる節がなかった。ほんの小さな傷だけど当たるとけっこう痛い。わたしは手汗を多量にかくから、こんな手のひらど真ん中に絆創膏も貼れない。はて困った。

と思ったが、生活を送る分には何とかなりそうだった。ぺろんとむけたは邪魔で、傷の保護にもなってないようだったから爪切りで取り除いてしまった。剥き出しになった傷は見るからに痛々しい赤色をしていた。

シャンプーなんてきっとしみてたまらないだろうと、この日はお休みすることにした。ほんのちょっとの傷なのにこんなにも痛い。それを思うと拷問とかで爪を剥がされるってどんなに痛いだろうなんて脈絡なく妄想する。想像もつかなくて(つきたくもない)、この話はいつも怖いな〜なんてしょうもなく終わる。

寝る直前まで生々しくてうっすら湿っていた傷は、起きたらすでに表面がガサっとして、傷の上に新しい皮膚がもうできようとしているのがわかった。

手を洗っても、もう痛みはない。