本屋大賞ノミネート作品一覧を見ていて、その中で読みたいと思う本が何冊か見つかった。
しかし、では早速買ったのかと問われれば、まだ購入には踏み切れていない。
わたしは(そして多くの読書家たちももしくは)、単行本で小説を買うことにどこか躊躇してしまうところがある。
価格が高い
わたしが単行本を買うことにハードルを感じている理由は明らかだ。
単行本はいつか文庫化する。この事実が、単行本を前にするといつもチラつく。
それが100%でないことは知っているが、多くの人気作はしばらく待つと文庫本になることがほとんどだ。
そうなると何がいいか。価格が抑えられるのだ。
単行本の装丁は素敵だ。内容にあった雰囲気のデザインが施されるなど手が込んでいて、それすらも作品の一部として成り立っている。
紙の本ラバーとしては、その装丁も含めて愛でたいという気持ちは並々ならない。
しかし、昨今の物価高もあり、単行本はとても高価だ。時に1冊2,000円を超えることもめずらしくなくなってきた。
すべての読みたい本を単行本でバカスカ買っていたら、破産待ったなしである。
本棚で場所を取る
そして、文庫化したものを選ぶメリットとしてはもうひとつ、コンパクトになるというものがある。
単行本は大きく、小説でよく適用される四六判というサイズは約127mm×188mm。ハードカバーであることも多く、本棚でかなり場所をとる。
紙の本好きが常に抱えている問題として、本を収納するスペースの確保がある。
家の広さは有限だ。ゆえに本棚の収納量にも限界がある。
毎月数冊の本を買っては、さてこれはこの隙間にねじ込むとして……ともういい加減腹12分目くらいになっている本棚と戦っている。
だから、場所をとるか否かは意外と死活問題なのだ。
中身が同じ小説なら、文庫の方が圧倒的にコンパクト。そういう観点からも、安易に単行本を買うよりも文庫化を待つ方が賢明だったりする。
「今読みたい」という気持ちと向き合う
そうやって、単行本を買うことの難しさはいくらでも挙げることができる。しかし、「今読みたい」という気持ちをないがしろにするつらさも同時に発生する。
だからわたしは単行本で小説を買おうかと考えるときはいつも、今あえてこれを買うメリットとデメリットを天秤にかける。
先に挙げた困難があってなおその小説を今すぐに、文庫化を待たずに読みたいという気持ちが上回ったときに、単行本の小説をレジへ持っていくのだ。
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そんなことを言いつつ、本心はもちろん別にある。そんな細けえこたあ考えずに読みたい本を読みたいときに買い占めたい。
今月も、限られたおこづかいと本棚のスペースで5冊ほどの本を買った(わたしのおこづかいはほとんどが本に消えている)。
書店に足を運ぶと、その購入スピードの何倍ものほしい本が見つかってしまうのが困るところだ。
これからもわたしは、新刊コーナーの単行本の前でうんうん唸りながら、自分の中の天秤をぐらぐらと揺らすのだろう。
ああ、わたしに無限の資金と書庫があれば、こんなケチな算段を立てなくていいのに。夢はあるかと訊かれたら、金と場所に糸目をつけず本を買い漁ることだと即答するだろう。