映日堂

ままならない日々のこと

カリカリポテトほどの愛

マクドナルドに行った。夫はセット、私は少なめでいいかなとバーガー単品を注文する。

食べ進めていると夫から声をかけられた。

「カリカリなポテト、いい感じのあったよ。いる?」

愛だな、と思った。

マクドナルドのポテトの中には、たまにカリカリの部分がある。薄くてよく揚がっている、あれだ。

わたしはこの部分に目がなくて、ポテトを食べる機会があるたびに、発掘しては夫に「これが好きなんだ〜」と話している気がする。たぶん耳タコだと思う。

だから夫はわたしにお裾分けをしてくれたのだ。好きでしょ? と。

でもそれだけではない。カリカリが好きなのは夫も同じなのだ。以前、ちらっと口にしていて、そうなんだ、じゃあ彼のポテトからカリカリをもらうのは何だか悪いなあと思ったのを覚えている。

それを知っているから、躊躇なく勧めてくれたことにわたしは嬉しくなった。

これを愛と呼ばずしてなんと呼ぼう。

ただ、これは夫がわたしのことをお子ちゃまだと思っているだけな気もする。お母さんが子どもに、子どもの好物を分けてあげるあの感じ。

それはそれで無条件の愛、ではある。