パン屋さんに行くとまっさきに手が伸びるパン、というのが人それぞれあるだろう。わたしにとってそれはクロワッサンで、昔から特別に好きとかそういうわけではなく、ちょっとした理由がある。
わたしはパンが好きで、普段からパン屋さんだけでなくコンビニやスーパーでも買っている。そういうところで売られているのはいわゆる菓子パンの類だ。そういったものでも、例えばメロンパンなんかはは中までしっとりとしてとてもクオリティが高くおいしい。
だけど菓子パンとして売られているクロワッサンだけは、「クロワッサンの形をしたパン」でしかないと思っている。あれもおいしい、おいしいんだけどクロワッサンならではの魅力はないに等しい……！ つまりわたしにとって、クロワッサンだけはパン屋さんに行かないと食べられない存在なのだ。
ここまで熱くなるのは、何年前だったか、パン屋さんで何となく買ったクロワッサンが絶品だったからだと記憶している。バターの豊かな香りと何層にも重なった生地のさっくりとした食感に、菓子パンに上書きされていたクロワッサンの本来の姿を思い出された。
それからというもの、パン屋さんではまずクロワッサンをチェックしてしまうようになった。クロワッサンこそ、パン屋さんでパンを買う醍醐味だといっても過言ではない気がする。ああ、こんなにクロワッサンを連呼していたら食べたくてたまらなくなってきた。明日の朝はお気に入りのパン屋さんを訪れようかな。
